Japanische Klassiker mit Furigana
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こどものかなしみ
号外・少年の悲哀 他六篇
国木田 独歩
Lesen Sie 号外・少年の悲哀 他六篇 (こどものかなしみ) von 国木田 独歩 (くにきだどっぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 28.584 Zeichen · 59 Bildschirme
ところで驚いたのは、田口に移った日の翌日、朝早く起きて散歩に出ようとすると、城山で会った子供が庭を掃いていたことです。私は、
「六さん、お早う」と声をかけましたが、子供は私の顔を見てニヤリ笑ったまま、草ぼうきで落ち葉を掃き、言葉を出しませんでした。
日のたつうちに、この怪しい子供の身の上が次第にわかって来ました、と言うのは、畢竟私が気をつけて見たり聞いたりしたからでしょう。
子供は名を六蔵と呼びまして、田口の主人には甥に当たり、生まれついての白痴であったのです。母親というは四十五六、早く夫に別れまして実家に帰り、二人の子を連れて兄の世話になっていたのであります。六蔵の姉はおしげと呼び、その時十七歳、私の見るところでは、これもまた白痴と言ってよいほど哀れな女でした。
田口の主人も初めのほどは白痴のことを隠しているようでしたが、何をいうにも隠しうることでないのですから、ついにある夜のこと、私の室に来て教育の話の末に、甥と姪の白痴であることを話しだし、どうにかしてこれにいくぶんの教育を加えることはできないものかと、私に相談をしました。
主人の語るところによると、この哀れなきょうだいの父親というは、非常な大酒家で、そのために命をも縮め、家産をも蕩尽したのだそうです。