Japanische Klassiker mit Furigana
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こどものかなしみ
号外・少年の悲哀 他六篇
国木田 独歩
Lesen Sie 号外・少年の悲哀 他六篇 (こどものかなしみ) von 国木田 独歩 (くにきだどっぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 28.584 Zeichen · 59 Bildschirme
石垣の上に立って見ていると、春の鳥は自在に飛んでいます。その一つは六蔵ではありますまいか。よし六蔵でないにせよ、六蔵はその鳥とどれだけちがっていましたろう。
※(アステリズム、1-12-94)
哀れな母親は、その子の死を、かえって子のために幸福だと言いながらも泣いていました。
ある日のことでした、私は六蔵の新しい墓におまいりするつもりで城山の北にある墓地にゆきますと、母親が先に来ていてしきりと墓のまわりをぐるぐる回りながら、何かひとりごとを言っている様子です。私の近づくのを少しも知らないと見えて、
「なんだってお前は鳥のまねなんぞした、え、なんだって石垣から飛んだの?……だって先生がそう言ったよ、六さんは空を飛ぶつもりで天主台の上から飛んだのだって。いくら白痴でも、鳥のまねをする人がありますかね、」と言って少し考えて「けれどもね、お前は死んだほうがいいよ。死んだほうが幸福だよ……」
私に気がつくや、
「ね、先生。六は死んだほうが幸福でございますよ、」と言って涙をハラハラとこぼしました。
「そういう事もありませんが、なにしろ不慮の災難だからあきらめるよりいたしかたがありませんよ……」