Japanische Klassiker mit Furigana
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こどものかなしみ
号外・少年の悲哀 他六篇
国木田 独歩
Lesen Sie 号外・少年の悲哀 他六篇 (こどものかなしみ) von 国木田 独歩 (くにきだどっぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 28.584 Zeichen · 59 Bildschirme
そしてまた月を仰ぎ、またあたりを見回しながら、
「坊様、あなたはおいくつ?」とたずねた。
「十二。」
「わたしの弟の写真も十二の時のですよ、今は十六……、そうだ、十六だけれど、十二の時に別れたぎり会わないのだから、今でも坊様と同じような気がするのですよ。」と言って僕の顔をじっと見ていたが、たちまち涙ぐんだ。月の光を受けて、その顔はなおさら青ざめて見えた。
「死んだの?」
「いいえ、死んだのならかえってあきらめがつきますが、別れたぎり、どうなったのか行き方が知れないのですよ。両親に早く死に別れて、たった二人の姉弟ですから、互いに力にしていたのが、今では別れ別れになって、生き死にさえわからんようになりました。それに、わたしも近いうち朝鮮につれて行かれるのだから、もうこの世で会うことができるかできないかわかりません。」と言って、涙がほおをつとうて流れるのをふきもしないで僕の顔を見たまますすり泣きに泣いた。
僕は陸のほうを見ながら黙ってこの話を聞いていた。家々のともし火は水に映ってきらきらとゆらいでいる。櫓の音をゆるやかにきしらせながら大船の伝馬をこいで行く男は、澄んだ声で船歌を流す。