Japanische Klassiker mit Furigana
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あいえんきえん
合縁奇縁
佐々木 邦
Lesen Sie 合縁奇縁 (あいえんきえん) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.349 Zeichen · 23 Bildschirme
「こら、坊主とは何だ?」
「お坊さんは嫌いです」
「何も分らないで、未だ贅沢を言っているのか?」
「…………」
この問答でも分る通り、僕のところはお寺だ。しかし僕は既に坊さんになりたくないことを言明していた。それに対して、兄貴は坊さんが一番間違いないから考え直せと言っていたのだった。僕は別に望みがあった。大学へ行って法科をやって官吏になりたいと思っていた。
「すると何うする?」
「大学へ行きたいんです」
「しかし学資は出せないよ。お前も承知の通り、家は貧乏寺だから」
「…………」
「随明寺へ養子に行けば、大学へやって貰える。法科はいけないけれど、哲学を勉強すれば、先生になれる。官立学校の先生なら官吏だぞ」
「帝大へやってくれると先方で言うんですか?」
「修業は充分させてくれるさ。元来お前の成績を聞き知って懇望するんだから、その辺は何うにでも話をつけてやる」
「哲学以外はいけないでしょうか?」
「無論さ。お寺を継ぐんだから、哲学も東洋哲学に限る」
「お寺を継げば教授になれますまい?」
「それは些っとむずかしいだろうな、豪い学者になってしまえば兎に角、初めからは」
「…………」
「家は貧乏だ。