Japanische Klassiker mit Furigana
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あいえんきえん
合縁奇縁
佐々木 邦
Lesen Sie 合縁奇縁 (あいえんきえん) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.349 Zeichen · 23 Bildschirme
「お寺のあるところかい? 寺町って」
と僕の顔を凝っと見た。
「昔あったらしい。今でもチョク/\ある」
「一竜なんて変な名前だね」
「竜一が、本当だけれど、田舎のことだものだから、届出の時、市役所の受附がアベコベに書き込んでしまったんだ」
「君は三男だと言っていたね」
「うむ。次の兄貴が竜二、僕が竜之助、僕のすぐ上に姉が二人あるけれど、何方も嫁に行っている。偶然何方も地主だ」
「それぐらいで結構だよ」
申込が直ぐに効を奏して、当事者だけの間に話が纒まった。
「澄子さんの方の両親は何うだろうね?」
と僕はもう一つ難関があるように感じた。
「澄子さんが好いとなれば異議なしさ。その方は僕達が悉皆委せて貰ってある」
「それじゃもう安心だ」
「しかし君の方は何うだい? 君が好ければ、兄さんは無論首を縦に振るんだろうね?」
「大丈夫だ。僕はもう長く家を離れていて何でも自分定めでやる。兄貴は事後承諾で宜いんだ」
「これで当事者の間はもうガッチリ動かないということになった」
「うむ。全くお蔭様だ」
「ところで、君、こゝに一つ澄子さんの身体について、君に特別に理解して置いて貰いたいことがある」