Japanische Klassiker mit Furigana
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おなじむすめでも
同じ娘でも
宮本 百合子
Lesen Sie 同じ娘でも (おなじむすめでも) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 1.814 Zeichen · 4 Bildschirme
持って来れば十銭や十五銭はきっとかってやるのさ」とおっしゃって「ほんとに可哀そうにねー」とつけたしをなさる。「ほんとにまあ、可哀そうだ事、それにずいぶんなお父さんですこと」とお話が終ると一所に私の口からすべり出した。「家はどこですか」「あの一番池の北の堤の下の松林のわきにあるそりゃあみじめな家なんだよ」とおっしゃる。見えないとは知りつつ一番池のけんとうを見る。清の家はかげも形も見えなく只向う山が紫の霞にとざされているの許がはっきり目に見える。熟柿くさい息をハーハー吸きながら売上りの銭を目の前にならべて今日の売高がすくないと小さい娘を叱かりつけて居る恐しげな父親の様子が思い出されて、娘が可哀そうだと思う心は尚々まして来る。そのよくよく日も四日許置いてからも又小さい包をもったお清の姿が水口の前にあらわれた。そのつどに小さい手にはいくつかの銭がにぎられた。
私の知って居る人でやっぱりお清さんと云う名の人が居る。年頃も丁度同じくらいで。
東京のお清さんは大変しわわせで居る。
幾人もの女中にかこまれて心配な事と云えばお花見の前の空模様ぐらい、それは、幸にくらして居る。