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Japanische Klassiker mit Furigana

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ななしゆびものがたり

名なし指物語

新美 南吉

Lesen Sie 名なし指物語 (ななしゆびものがたり) von Niimi Nankichi (新美 南吉) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N4. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N4 · Einstieg · moderne Kanji und Kana · 10.312 Zeichen · 21 Bildschirme

Aozora Bunko

」

マタンは、ひろったクルミをすてました。なぜなら、そのクルミは、実がはいってない、ただのからだけでした。けれど、すててはみたものの、落ちているのを見ると、またほしくなって、ふたたびひろいあげました。

〈なにかにならないかしら〉と考えながら、いろいろ、ひねくっていると、左の名なし指の頭に、ちょうどうまく、かぶさったのでした。

「ああ、ぼうしだ、ぼうしだ。」

マタンは、ひとりでおかしくて、ひとりでわらいました。そして、

名なし指、名なし指、

ぼうしかぶった名なし指、

たららん。

そんな、でたらめな歌をうたって、クルミのからのかぶさった名なし指を、まげたりのばしたりしながらやっていくと、いかめしい石のへいの下で、女の子がひとり、しょんぼりすわっていました。

「おい、ジュリーちゃん、ごらんよ。」

といって、マタンは近づいていきました。

「ほら、この指が、おじぎするよ。はい、ジュリーちゃん。こんにちは。」

女の子は、クルミのからをかぶった名なし指におじぎされて、にっこり、ほほえみました。けれど、その大きなみどり色の目は、なみだでうるんでいました。しかし、どうしてないているのか、マタンはきこうとしませんでした。