Japanische Klassiker mit Furigana
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ななしゆびものがたり
名なし指物語
Lesen Sie 名なし指物語 (ななしゆびものがたり) von Niimi Nankichi (新美 南吉) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N4. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N4 · Einstieg · moderne Kanji und Kana · 10.312 Zeichen · 21 Bildschirme
マタンだって、よそのリンゴをもぐのは、わるいことだと知っていましたろうに。
けれど、ジュリーをなぐさめてやりたい気持ちがいっぱいで、そのほかのことを、考えてるひまがなかったのでありましょうか。
「待っといで。」
そういっておいて、マタンは、車かじやのほうへ、かけていきました。車かじやの横には、たがのはまった古い輪がたくさん、もたせかけてありました。そのうちの一つを、マタンは、ごろりごろりとまわしてきて、石のへいにもたせかけました。
白いずきんで、まるいほっぺたをつつんだジュリーは、マタンがなにをするか、だまって見ていました。マタンは、もたせた車の輪のこしきの上に、よじのぼりました。そして、リンゴのほうへ、手をのばしました。
「あ、いけないわ。」
ジュリーは、あわててさけびました。
「マタンちゃん、いけないわ。そんなことしちゃ。」
そして、マタンの右手をひっぱったのでしたが、そのときにはもう、マタンの左手は、一つのリンゴをつかんでいました。
へいの中ではさっきから、はさみを持ったお金持ちが、おじょうさんにかごを持たせて、色のよいリンゴをえらびながら、チョキンチョキンと切ってまわっていました。