Japanische Klassiker mit Furigana
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めいじんじごく
名人地獄
国枝 史郎
Lesen Sie 名人地獄 (めいじんじごく) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 149.286 Zeichen · 301 Bildschirme
すべて燈籠の据え方には、造庭上の故実があって、それがなかなかむずかしい」
「おやおや話がそれますこと」
「冷かしてはいけないまずお聞き、ところでそこにある石燈籠、ちとその据え方が違っている」
「オヤさようでございますか」いつかお品はひき込まれてしまった。
「茶の湯、活花、造庭術、風雅の道というものは、皆これ仏教から来ているのだ」
「まあ、さようでございますか」
「ところが中頃その中へ、武術の道が加わって、大分作法がむずかしくなった」
「まあ、さようでございますか」お品は益※(二の字点、1-2-22)熱心になった。
「で、そこにある石燈籠だが、これはこの室と枝折戸との、真ん中に置くのが本格なのだ」
「どういう訳でございましょう?」
「門の外から室の様子を、見られまいための防禦物だからで、横へ逸れては目的に合わぬ。ところがこれは逸れている。室の様子がまる見えだ」
「そういえばまる見えでございますね」
お品はすっかり感心して、銀之丞の話に耳傾けた。
それが銀之丞には面白かった。もちろん彼の説などは、拠りどころのない駄法螺なので、それをいかにももっともらしく、真顔を作って話すというのは、どうやらお品に弱点を握られ、今にもそこへさわられそうなのが、気恥ずかしく思われたからであった。