Japanische Klassiker mit Furigana
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めいじんじごく
名人地獄
国枝 史郎
Lesen Sie 名人地獄 (めいじんじごく) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 149.286 Zeichen · 301 Bildschirme
こういう場合おおかたの人は好奇心に捉われるものであった、で、彼も好奇心に駆られ、刎ね橋を向こうへ渡って行った。そうして小門へさわってみた。と、手に連れて音もなく、小門の戸が向こうへ開いた。
「おや」とばかり驚きの声を、思わず口から飛び出させたが、さらに一層の好奇心が、彼の心を駆り立てた。
魔法使いの魔法の部屋か
彼は小門をくぐったものである。
あたりを見ると鬱蒼たる木立で、その木立のはるか彼方に、一座の建物が立っていた、どうやら、別荘のおも屋らしい。さすがに彼もこれ以上、はいり込むには躊躇された。
「しかし」と彼は思案した。「何んというこれは不用心だ。賊でもはいったらどうするつもりだ。一つ注意をしてやろう」で、彼は進んで行った。やがて建物の戸口へ出た。
「ご免」と小声でまず訪い、トントンと二つばかり戸を打った。と、何んたることであろう! その戸がまたも内側へ開き、闇の廊下が現われた。
「おや」とばかり驚きの声を、また出さざるを得なかった。しかし驚きはそれだけではなく、
「おはいり」
というしわがれた声が、廊下の奥から聞こえて来た。
これには銀之丞も度胆を抜かれた。