Japanische Klassiker mit Furigana
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めいじんじごく
名人地獄
国枝 史郎
Lesen Sie 名人地獄 (めいじんじごく) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 149.286 Zeichen · 301 Bildschirme
「どうやらこれは武辺者の……」「さよう、武辺者の足跡でござる。目的をとげた武辺者は、人に見られるのを憚って、堤から飛び下り耕地を伝い、両国の方へ逃げたのでござる」
「そうして、武辺者の目的というは?」
「それがとんと分らぬのでござるよ」平八の声には元気がない。「五人の人間の行動は、あらかた足跡で分ったものの、その外のことはトンと分らぬ」「お前様ほどの慧眼にも、分らないことがござるかな?」「不可解の点が四つござる」「四つ? さようかな、お聞かせくだされ」
「鼠小僧と想像される男が、この場へ来かかったのは何のためか? 偶然かそれとも計っての事か?」「いかさまこれは分らぬわい」「頭髪を切ったは何のためか? 威嚇のためか意趣斬りか? これが第二の難点でござる。武辺者はいったい何者か? 浪人か藩士かその外の者か? これが三つ目の難点でござる」「そこで四つ目の難点は?」
「美音の鼓! 美音の鼓!」
「さようさ、鼓が鳴りましたな」
「誰が鼓を持っていたのか? 何のために鼓を鳴らしたのか? 誰が鼓を鳴らしたのか? その鼓はどこへ行ったか?」
「いやはやまるっきり分りませぬかな?」