Japanische Klassiker mit Furigana
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めいじんじごく
名人地獄
国枝 史郎
Lesen Sie 名人地獄 (めいじんじごく) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 149.286 Zeichen · 301 Bildschirme
と、もう一人が、それに応じた。
「うん、まったく変梃だなあ。なんと思って選りに選って、船大工ばかりを攫うのだろう」
二人の職人の耳寄りな話
「はてな」
と平八は胸でいった。「おかしな話だ。なんだろう?」
で、捨て耳を働かせ、職人の話に聞き入った。
「喜公も消えたっていうじゃねえか」
「それから松ヤンもなくなったそうだ」
「平河町の政兄イ、あそこでは一時に五人というもの、姿がなくなったということだぜ」
「ところがお前、石町では、親方がどこかへ行っちゃったそうだ」
「天狗様かな? お狐様かな?」
「天狗様にしろお狐様にしろ、船大工ばかりに祟るなんて、どうでも阿漕というものだ」
「見ていや、今に、江戸中から、船大工の影がなくなるから」
「亭主、いくらだ?」
と代を払って、郡上平八は外へ出た。
「おい駕籠屋、本所へやれ」
新しくやとった駕籠へ乗り、平八は自宅へ引き返した。
「おい、松五郎を呼びにやりな」
間もなくご用聞きの松五郎が、きのう見せた顔と同じ顔を、平八の前へ突きつけた。
「旦那、なにかご用でも?」
「うん、訊きたいことがある」
「へい、やっぱり切り髪女の?」
「いや、あれは打ち切りだ」