Japanische Klassiker mit Furigana
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めいじんじごく
名人地獄
国枝 史郎
Lesen Sie 名人地獄 (めいじんじごく) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 149.286 Zeichen · 301 Bildschirme
「一口にいうと日蔭者だ」
「どうも私には解らねえ」
すると平八は声を落としたが、
「教えてやろう。海賊だ」
「ははあ、海賊? ナール、日蔭者だ」
「しかも一通りの海賊ではない。やはりこれは赤格子だ。そうでなければその余党だ。そいつがどこかでご禁制の船を、建造しているに相違ない」
益※(二の字点、1-2-22)声を落としたが、
「小松屋、そこで頼みがある。あすかないしはあさって頃、船脚が遅くて小さな船で、そうして金目を積み込んでいる、つまり海賊に襲われそうな船が、どこかの問屋から出はしないか、そいつを調べて来て貰いたい」
「変なご注文でございますね」
「是非今夜中に知りたいのだ」
「ようございます。すぐ行って来ましょう」
松五郎はとつかわ出て行ったが、真夜中になって戻って来た。
「旦那、一隻みつかりました」
「それはご苦労。どこの船だな」
「へい、淀屋の八幡丸で」
「あ、そうか、それは有難い。……いいから帰って休んでくれ」
松五郎が帰ると平八は、すぐに変装にとりかかった。髯を剃り、髪を結い変え、紺の腹がけに同じ股引、その上へ革の羽織を着たが、まさに一カドの棟梁であった。
夜のひきあけに家を出ると、深川の淀屋まで歩いて行った。