Japanische Klassiker mit Furigana
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めいじんじごく
名人地獄
国枝 史郎
Lesen Sie 名人地獄 (めいじんじごく) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 149.286 Zeichen · 301 Bildschirme
「まず鉋で削りやす。それからピッタリ食っつけ合わせ、その間へ鋸を入れ、引き合わせをしたその後で、充分に釘を打ち込みやす。漏水のおそれはございませんな」
「上棚中棚の固着法は?」
「用いる釘は通り釘、接合の内側へ漆を塗る。こんなものでようがしょう」
「釘の種類は? さあどうだ?」
「敲き釘に打ち込み釘、木釘に竹の釘に螺旋釘、ざっとこんなものでございます」
「螺旋釘の別名は?」
「捩じ込み釘に捩じ止め釘」
「船首の材には何を使うな?」
「第一等が槻材」
「それから何だな? 何を使うな?」
「つづいてよいのは檜材、それから松を使います」
「よし」というと侍は、またも懐中へ手を入れたが、取り出したのは精妙を極めた、同じ船体の縦断面であった。
「さあここだ、なんというな?」
航と呼ばれる敷木の上へ、ピッタリ指先を押しあてた。
「なんでもないこと、それは航で」「いかにも航だ。ではここは?」「へい、弦でございます。そうしてその下が中入れで、そうしてその上が弦押しで」「矧ぎ付きというのはどのへんだな?」
「弦押しの上部、ここでございます」「では、ここにある一文字は?」「船の眼目、すなわち船梁」