Japanische Klassiker mit Furigana
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めいくんただゆき
名君忠之
夢野 久作
Lesen Sie 名君忠之 (めいくんただゆき) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.683 Zeichen · 32 Bildschirme
「さればで御座るのう……御役目の御難儀、お察し申しまするわい」
「申上げます。アノ申上げます」
とお茶坊主が慌しく二人の前に手を突いた。眼をマン丸くして青くなっていた。
「殿様よりの御諚で御座ります。尾藤様は最早、御退出になりましたか見て参れとの御諚で……」
二人は苦い顔を見合わせた。
「ウム。よく申し聞けた。いずれ褒美取らするぞ。心利いた奴じゃ」
と言ううちに尾藤内記はソソクサと立上った。
「アノ……何と申上げましょうか」
「ウム。先刻退出したと申上げてくれい」
「かしこまりました」
お坊主がバタバタと走って大書院の奥へ消えた。
「……まずこの通りで御座る。殿の御性急には困り入る。すぐに処分をしに行かねば、お気に入らぬでのう」
「大目付殿ジカに与九郎へ申渡されますか」
「イヤ。とりあえず里方西村家へこの事を申入れて諫めさせる。諫めを用いぬ時には追放と達したならば、如何な与九郎も一と縮みで御座ろう。万事はその上で申聞ける所存じゃ。……手ぬるいとお叱りを受けるかも知れぬが、所詮、覚悟の前で御座る。ハハハ」
「大目付殿の御慈悲……家中の者も感佩仕るで御座ろう。その御心中がわからぬ与九郎でも御座るまいが……」