Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ひまわりのめ

向日葵の眼

野村 胡堂

Lesen Sie 向日葵の眼 (ひまわりのめ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.919 Zeichen · 18 Bildschirme

Aozora Bunko

麗子のお父様というのは、日本のエジソンと言われた、有名な発明家で、いろいろお国の為になるものを発明した上沢山の実用品を創り出して、一代に数百万という財産を拵え、谷中の奥に、立派な家を建てて、心静かに研究をして居りましたが、昨年の暮、風邪から肺炎を起して亡くなってしまったのです。

後に残ったのは、未亡人と一人娘の麗子ばかり、偏屈な学者の事で、日頃あまり知合も作らず、身寄の者と言っても皆遠方で、別段頼りにする者もありませんので、自然お父様の助手をして居た、紺野左一郎という人が、研究の仕残りやら家政上の事やら、母子の者の身の振り方まで、立ち入って世話をするようになりました。

まもなく紺野は、亡くなった松井博士の仕事を仕上げるという口実で、博士が人に隠して、そっとやり掛けて居た、沢山の大発明の設計図を見せてくれと言い出したのです。

それから、これは博士の遺言だからと言って、財産の事にまで口を出し、自分は母子の後見人だということを、大ぴらに世間へ言いふらしたりするようになりました。

ところが、博士がやりかけて居た筈の、沢山の発明の設計図は、何処を何う探しても見当らないばかりでなく、博士が残した筈の、何百万円という財産も、何処へ匿してあるのか、さっぱりその行方がわかりません、博士はどこか、秘密の室に隠しているので