Japanische Klassiker mit Furigana
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りんしょくしんのやど
吝嗇神の宿
Lesen Sie 吝嗇神の宿 (りんしょくしんのやど) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.082 Zeichen · 17 Bildschirme
天下の奴らはみんなオレより偉いんだ。オレの人相のメキキは、もう衰えたらしいぜ。それにひきくらべて、あの野郎は凄い野郎だ。どう考えてもタダモノじゃアねえや。そこんところが、オレにはモウ力が及ばなくなったらしいや。オレはもう人生の敗残者だなア」
「およしよ。あんな唐変木のためにお前さんが泣くのかえ」
「唐変木どころじゃないや」
ドロボー君は立上ると三畳へやってきた。シシド君の前へ坐ると頭を下げて、
「ダンナ。失礼いたしました」
「…………」
「お見それ致しました」
「…………」
「私ゃもうダンナにオレの仕事を手伝ってくれなんてケチなことは申しません。ダンナはタダモノじゃアねえや。野心のある人だ。大きな望みのある人だ。ねえ、そうでしょう。私ゃチャンと分るんだ。ダンナは大望に生きる人だ。ねえ、その望みを打ちあけて下さいな。私にも一口張らせて下さいな。私は全財産を投げだしてダンナにはろうじゃないか。その代りダンナが望みをとげたら、オレを一のコブンにして下さい。ねえ、ダンナ」
「…………」
きこえるのか、きこえないのか、シシド君、半眼、相手になろうともしない。
この有様に怒髪天をついたのはオタツであった。