Japanische Klassiker mit Furigana
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りんしょくしんのやど
吝嗇神の宿
Lesen Sie 吝嗇神の宿 (りんしょくしんのやど) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.082 Zeichen · 17 Bildschirme
顔の造作がバラバラでとりとめがなく、よくふとっている。年の頃は二十五六。ドロボー君の年齢の半分ぐらい。娘々したところが残っているせいか、造作のバラバラな顔が、角度や光線のカゲンでなんとなく可愛く見えないこともない。顔も姿も、金魚のようだ。
「オタツ――オタツちゃん、てんだ」
ドロボー君はこう紹介したが、オタツはただならぬ見幕でシシド君を睨みつけ、
「なんだい、この唐変木は」
田舎ッペイのオタツは単純だ。犬と同じように外形の貧相な人間を警戒、軽蔑するのである。
「シナから引揚げてきた人だ。様子の悪いのを気にするな。オレが人相を見立てて一度も狂ったことはねえや。ボヤッと脳タリンのようだが、これで気のよい人間だから、可愛がってやんなよ」
「この野郎をウチへあげるツモリかい?」
「いいじゃないか。宿ナシなんでよ。オレの仕事の手伝いをさせるんだから」
「こんな野郎をウチへあげて、シラミでも落しやがったら、どうする気なのよ。野郎! 三畳にすッこんでろ。こッちへ来やがると承知しねえぞ」
本当に立腹したらしく、オタツは肩で息をして凄んでいる。腕に覚えもある様子である。シシド君は三畳へリュックを下して、アグラをかいた。