Japanische Klassiker mit Furigana
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『わがはいはねこである』じょうへん
吾輩は猫である
Lesen Sie 吾輩は猫である (『わがはいはねこである』じょうへん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 322.123 Zeichen · 643 Bildschirme
「君は一生旅烏かと思ってたら、いつの間にか舞い戻ったね。長生はしたいもんだな。どんな僥倖に廻り合わんとも限らんからね」と迷亭は鈴木君に対しても主人に対するごとく毫も遠慮と云う事を知らぬ。いかに自炊の仲間でも十年も逢わなければ、何となく気のおけるものだが迷亭君に限って、そんな素振も見えぬのは、えらいのだか馬鹿なのかちょっと見当がつかぬ。
「可哀そうに、そんなに馬鹿にしたものでもない」と鈴木君は当らず障らずの返事はしたが、何となく落ちつきかねて、例の金鎖を神経的にいじっている。
「君電気鉄道へ乗ったか」と主人は突然鈴木君に対して奇問を発する。
「今日は諸君からひやかされに来たようなものだ。なんぼ田舎者だって――これでも街鉄を六十株持ってるよ」
「そりゃ馬鹿に出来ないな。僕は八百八十八株半持っていたが、惜しい事に大方虫が喰ってしまって、今じゃ半株ばかりしかない。もう少し早く君が東京へ出てくれば、虫の喰わないところを十株ばかりやるところだったが惜しい事をした」
「相変らず口が悪るい。しかし冗談は冗談として、ああ云う株は持ってて損はないよ、年々高くなるばかりだから」