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Japanische Klassiker mit Furigana

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『わがはいはねこである』じょうへん

吾輩は猫である

夏目 漱石

Lesen Sie 吾輩は猫である (『わがはいはねこである』じょうへん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 322.123 Zeichen · 643 Bildschirme

Aozora Bunko

第一天井から鼠の糞でも落ちた時危険である。

小供の方はと見るとこれも親に劣らぬ体たらくで寝そべっている。姉のとん子は、姉の権利はこんなものだと云わぬばかりにうんと右の手を延ばして妹の耳の上へのせている。妹のすん子はその復讐に姉の腹の上に片足をあげて踏反り返っている。双方共寝た時の姿勢より九十度はたしかに廻転している。しかもこの不自然なる姿勢を維持しつつ両人とも不平も云わずおとなしく熟睡している。

さすがに春の灯火は格別である。天真爛漫ながら無風流極まるこの光景の裏に良夜を惜しめとばかり床しげに輝やいて見える。もう何時だろうと室の中を見廻すと四隣はしんとしてただ聞えるものは柱時計と細君のいびきと遠方で下女の歯軋りをする音のみである。この下女は人から歯軋りをすると云われるといつでもこれを否定する女である。私は生れてから今日に至るまで歯軋りをした覚はございませんと強情を張って決して直しましょうとも御気の毒でございますとも云わず、ただそんな覚はございませんと主張する。なるほど寝ていてする芸だから覚はないに違ない。しかし事実は覚がなくても存在する事があるから困る。