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Japanische Klassiker mit Furigana

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『わがはいはねこである』じょうへん

吾輩は猫である

夏目 漱石

Lesen Sie 吾輩は猫である (『わがはいはねこである』じょうへん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 322.123 Zeichen · 643 Bildschirme

Aozora Bunko

ここへ東風君さえくれば、主人の家へ出入する変人はことごとく網羅し尽したとまで行かずとも、少なくとも吾輩の無聊を慰むるに足るほどの頭数は御揃になったと云わねばならぬ。これで不足を云っては勿体ない。運悪るくほかの家へ飼われたが最後、生涯人間中にかかる先生方が一人でもあろうとさえ気が付かずに死んでしまうかも知れない。幸にして苦沙弥先生門下の猫児となって朝夕虎皮の前に侍べるので先生は無論の事迷亭、寒月乃至東風などと云う広い東京にさえあまり例のない一騎当千の豪傑連の挙止動作を寝ながら拝見するのは吾輩にとって千載一遇の光栄である。御蔭様でこの暑いのに毛袋でつつまれていると云う難儀も忘れて、面白く半日を消光する事が出来るのは感謝の至りである。どうせこれだけ集まれば只事ではすまない。何か持ち上がるだろうと襖の陰から謹んで拝見する。

「どうもご無沙汰を致しました。しばらく」と御辞儀をする東風君の顔を見ると、先日のごとくやはり奇麗に光っている。頭だけで評すると何か緞帳役者のようにも見えるが、白い小倉の袴のゴワゴワするのを御苦労にも鹿爪らしく穿いているところは榊原健吉の内弟子としか思えない。