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Japanische Klassiker mit Furigana

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『わがはいはねこである』じょうへん

吾輩は猫である

夏目 漱石

Lesen Sie 吾輩は猫である (『わがはいはねこである』じょうへん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 322.123 Zeichen · 643 Bildschirme

Aozora Bunko

おりから門の格子がチリン、チリン、チリリリリンと鳴る。大方来客であろう、来客なら下女が取次に出る。吾輩は肴屋の梅公がくる時のほかは出ない事に極めているのだから、平気で、もとのごとく主人の膝に坐っておった。すると主人は高利貸にでも飛び込まれたように不安な顔付をして玄関の方を見る。何でも年賀の客を受けて酒の相手をするのが厭らしい。人間もこのくらい偏屈になれば申し分はない。そんなら早くから外出でもすればよいのにそれほどの勇気も無い。いよいよ牡蠣の根性をあらわしている。しばらくすると下女が来て寒月さんがおいでになりましたという。この寒月という男はやはり主人の旧門下生であったそうだが、今では学校を卒業して、何でも主人より立派になっているという話しである。この男がどういう訳か、よく主人の所へ遊びに来る。来ると自分を恋っている女が有りそうな、無さそうな、世の中が面白そうな、つまらなそうな、凄いような艶っぽいような文句ばかり並べては帰る。主人のようなしなびかけた人間を求めて、わざわざこんな話しをしに来るのからして合点が行かぬが、あの牡蠣的主人がそんな談話を聞いて時々相槌を打つのはなお面白い。