Japanische Klassiker mit Furigana
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『わがはいはねこである』じょうへん
吾輩は猫である
Lesen Sie 吾輩は猫である (『わがはいはねこである』じょうへん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 322.123 Zeichen · 643 Bildschirme
多病にして残喘を保つ方がよほど結構だ。こう考えて膳の傍に坐って、隙があったら何か頂戴しようと、見るごとく見ざるごとく装っていた。こんな装い方を知らないものはとうていうまい肴は食えないと諦めなければいけない。主人は肴をちょっと突っついたが、うまくないと云う顔付をして箸を置いた。正面に控えたる妻君はこれまた無言のまま箸の上下に運動する様子、主人の両顎の離合開闔の具合を熱心に研究している。
「おい、その猫の頭をちょっと撲って見ろ」と主人は突然細君に請求した。
「撲てば、どうするんですか」
「どうしてもいいからちょっと撲って見ろ」
こうですかと細君は平手で吾輩の頭をちょっと敲く。痛くも何ともない。
「鳴かんじゃないか」
「ええ」
「もう一返やって見ろ」
「何返やったって同じ事じゃありませんか」と細君また平手でぽかと参る。やはり何ともないから、じっとしていた。しかしその何のためたるやは智慮深き吾輩には頓と了解し難い。これが了解出来れば、どうかこうか方法もあろうがただ撲って見ろだから、撲つ細君も困るし、撲たれる吾輩も困る。主人は二度まで思い通りにならんので、少々焦れ気味で「おい、ちょっと鳴くようにぶって見ろ」