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Japanische Klassiker mit Furigana

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『わがはいはねこである』じょうへん

吾輩は猫である

夏目 漱石

Lesen Sie 吾輩は猫である (『わがはいはねこである』じょうへん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 322.123 Zeichen · 643 Bildschirme

Aozora Bunko

しかし寒月君の女連れを羨まし気に尋ねた事だけは事実である。寒月君は面白そうに口取の蒲鉾を箸で挟んで半分前歯で食い切った。吾輩はまた欠けはせぬかと心配したが今度は大丈夫であった。「なに二人とも去る所の令嬢ですよ、御存じの方じゃありません」と余所余所しい返事をする。「ナール」と主人は引張ったが「ほど」を略して考えている。寒月君はもう善い加減な時分だと思ったものか「どうも好い天気ですな、御閑ならごいっしょに散歩でもしましょうか、旅順が落ちたので市中は大変な景気ですよ」と促がして見る。主人は旅順の陥落より女連の身元を聞きたいと云う顔で、しばらく考え込んでいたがようやく決心をしたものと見えて「それじゃ出るとしよう」と思い切って立つ。やはり黒木綿の紋付羽織に、兄の紀念とかいう二十年来着古るした結城紬の綿入を着たままである。いくら結城紬が丈夫だって、こう着つづけではたまらない。所々が薄くなって日に透かして見ると裏からつぎを当てた針の目が見える。主人の服装には師走も正月もない。ふだん着も余所ゆきもない。出るときは懐手をしてぶらりと出る。ほかに着る物がないからか、有っても面倒だから着換えないのか、吾輩には分らぬ。