Japanische Klassiker mit Furigana
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『わがはいはねこである』じょうへん
吾輩は猫である
Lesen Sie 吾輩は猫である (『わがはいはねこである』じょうへん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 322.123 Zeichen · 643 Bildschirme
「うん迷亭か、あれは池に浮いてる金魚麩のようにふわふわしているね。せんだって友人を連れて一面識もない華族の門前を通行した時、ちょっと寄って茶でも飲んで行こうと云って引っ張り込んだそうだが随分呑気だね」
「それでどうしたい」
「どうしたか聞いても見なかったが、――そうさ、まあ天稟の奇人だろう、その代り考も何もない全く金魚麩だ。鈴木か、――あれがくるのかい、へえー、あれは理窟はわからんが世間的には利口な男だ。金時計は下げられるたちだ。しかし奥行きがないから落ちつきがなくって駄目だ。円滑円滑と云うが、円滑の意味も何もわかりはせんよ。迷亭が金魚麩ならあれは藁で括った蒟蒻だね。ただわるく滑かでぶるぶる振えているばかりだ」
主人はこの奇警な比喩を聞いて、大に感心したものらしく、久し振りでハハハと笑った。
「そんなら君は何だい」
「僕か、そうさな僕なんかは――まあ自然薯くらいなところだろう。長くなって泥の中に埋ってるさ」
「君は始終泰然として気楽なようだが、羨ましいな」
「なに普通の人間と同じようにしているばかりさ。別に羨まれるに足るほどの事もない。ただありがたい事に人を羨む気も起らんから、それだけいいね」