Japanische Klassiker mit Furigana
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『わがはいはねこである』じょうへん
吾輩は猫である
Lesen Sie 吾輩は猫である (『わがはいはねこである』じょうへん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 322.123 Zeichen · 643 Bildschirme
この間しめ出しを食った時なぞは野良犬の襲撃を蒙って、すでに危うく見えたところを、ようやくの事で物置の家根へかけ上って、終夜顫えつづけた事さえある。これ等は皆御三の不人情から胚胎した不都合である。こんなものを相手にして鳴いて見せたって、感応のあるはずはないのだが、そこが、ひもじい時の神頼み、貧のぬすみに恋のふみと云うくらいだから、たいていの事ならやる気になる。にゃごおうにゃごおうと三度目には、注意を喚起するためにことさらに複雑なる泣き方をして見た。自分ではベトヴェンのシンフォニーにも劣らざる美妙の音と確信しているのだが御三には何等の影響も生じないようだ。御三は突然膝をついて、揚げ板を一枚はね除けて、中から堅炭の四寸ばかり長いのを一本つかみ出した。それからその長い奴を七輪の角でぽんぽんと敲いたら、長いのが三つほどに砕けて近所は炭の粉で真黒くなった。少々は汁の中へも這入ったらしい。御三はそんな事に頓着する女ではない。直ちにくだけたる三個の炭を鍋の尻から七輪の中へ押し込んだ。とうてい吾輩のシンフォニーには耳を傾けそうにもない。仕方がないから悄然と茶の間の方へ引きかえそうとして風呂場の横を通り過ぎると、ここは今女の子が三人で顔を洗ってる最中で、なかなか繁昌している。