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Japanische Klassiker mit Furigana

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『わがはいはねこである』じょうへん

吾輩は猫である

夏目 漱石

Lesen Sie 吾輩は猫である (『わがはいはねこである』じょうへん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 322.123 Zeichen · 643 Bildschirme

Aozora Bunko

ここにおいてか主人は今まで頭から被っていた夜着を一度に跳ねのけた。見ると大きな眼を二つとも開いている。

「何だ騒々しい。起きると云えば起きるのだ」

「起きるとおっしゃってもお起きなさらんじゃありませんか」

「誰がいつ、そんな嘘をついた」

「いつでもですわ」

「馬鹿を云え」

「どっちが馬鹿だか分りゃしない」と妻君ぷんとして箒を突いて枕元に立っているところは勇ましかった。この時裏の車屋の子供、八っちゃんが急に大きな声をしてワーと泣き出す。八っちゃんは主人が怒り出しさえすれば必ず泣き出すべく、車屋のかみさんから命ぜられるのである。かみさんは主人が怒るたんびに八っちゃんを泣かして小遣になるかも知れんが、八っちゃんこそいい迷惑だ。こんな御袋を持ったが最後朝から晩まで泣き通しに泣いていなくてはならない。少しはこの辺の事情を察して主人も少々怒るのを差し控えてやったら、八っちゃんの寿命が少しは延びるだろうに、いくら金田君から頼まれたって、こんな愚な事をするのは、天道公平君よりもはげしくおいでになっている方だと鑑定してもよかろう。怒るたんびに泣かせられるだけなら、まだ余裕もあるけれども、金田君が近所のゴロツキを傭って今戸焼をきめ込むたびに、八っちゃんは泣かねばならんのである。