Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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『わがはいはねこである』じょうへん

吾輩は猫である

夏目 漱石

Lesen Sie 吾輩は猫である (『わがはいはねこである』じょうへん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 322.123 Zeichen · 643 Bildschirme

Aozora Bunko

「なぜ」

「なぜって、私にはもう歴然とした女房があるんです」

「いや、こりゃえらい。いつの間に秘密結婚をやったのかね。油断のならない世の中だ。苦沙弥さんただ今御聞き及びの通り寒月君はすでに妻子があるんだとさ」

「子供はまだですよ。そう結婚して一と月もたたないうちに子供が生れちゃ事でさあ」

「元来いつどこで結婚したんだ」と主人は予審判事見たような質問をかける。

「いつって、国へ帰ったら、ちゃんと、うちで待ってたのです。今日先生の所へ持って来た、この鰹節は結婚祝に親類から貰ったんです」

「たった三本祝うのはけちだな」

「なに沢山のうちを三本だけ持って来たのです」

「じゃ御国の女だね、やっぱり色が黒いんだね」

「ええ、真黒です。ちょうど私には相当です」

「それで金田の方はどうする気だい」

「どうする気でもありません」

「そりゃ少し義理がわるかろう。ねえ迷亭」

「わるくもないさ。ほかへやりゃ同じ事だ。どうせ夫婦なんてものは闇の中で鉢合せをするようなものだ。要するに鉢合せをしないでもすむところをわざわざ鉢合せるんだから余計な事さ。すでに余計な事なら誰と誰の鉢が合ったって構いっこないよ。