Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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『わがはいはねこである』じょうへん

吾輩は猫である

夏目 漱石

Lesen Sie 吾輩は猫である (『わがはいはねこである』じょうへん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 322.123 Zeichen · 643 Bildschirme

Aozora Bunko

「そうでしょう」「それから私の方を御向きになって、君仏蘭西や英吉利へ行くと随分天明調や万葉調が食えるんだが、日本じゃどこへ行ったって版で圧したようで、どうも西洋料理へ這入る気がしないと云うような大気で――全体あの方は洋行なすった事があるのですかな」「何迷亭が洋行なんかするもんですか、そりゃ金もあり、時もあり、行こうと思えばいつでも行かれるんですがね。大方これから行くつもりのところを、過去に見立てた洒落なんでしょう」と主人は自分ながらうまい事を言ったつもりで誘い出し笑をする。客はさまで感服した様子もない。「そうですか、私はまたいつの間に洋行なさったかと思って、つい真面目に拝聴していました。それに見て来たようになめくじのソップの御話や蛙のシチュの形容をなさるものですから」「そりゃ誰かに聞いたんでしょう、うそをつく事はなかなか名人ですからね」「どうもそうのようで」と花瓶の水仙を眺める。少しく残念の気色にも取られる。「じゃ趣向というのは、それなんですね」と主人が念を押す。「いえそれはほんの冒頭なので、本論はこれからなのです」「ふーん」と主人は好奇的な感投詞を挟む。