Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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わし

和紙

東野辺 薫

Lesen Sie 和紙 (わし) von 東野辺 薫 (とうのべかおる) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 35.557 Zeichen · 70 Bildschirme

Aozora Bunko

最初はどう応対したらいいか迷っていたよしも、あとではユミと一緒になって、散々良三郎の悪口を言ってやった。そう話すよしの目もまたたかぶっている。としゑも人ごとでなく腹が立った。

「そんなにこじれてしまったら、あとで一体どうなるの?」

口には出さなかったが、親同士のそんな約束事などに縛られている馬鹿馬鹿しさが、としゑにはこの上もなく歯がゆかった。

産婆の断定した日よりも二日早い夕方に、としゑのお腹にそれらしさがきた。きまりの悪いほど何度も戸外へ立たねばならなかった。それでも、せんと一緒に台所の事もした。訪ねて来た友太の友人が、帰りがけに何かあまり上品でない冗談を言うのにも、気づかれまいとして高く笑ってみせたが、やがて間歇的に襲う痛みは堪えられないものになってきた。よっちゃんと呼びかけると、はじめて気づいたよしは、お母さァとわくわくした声を上げた。

「んだか?」

裏の湯殿から腰紐を巻きながら入って来たおときは、荒荒しいまでの素早さでつッ伏したとしゑを抱えて、よし、早く嫂さの布団を敷けと言ったが、いや、よしでは駄目だ、お母さが敷くべと奥に駈け込んだ。気力の失せていたこの頃の母とは人の変った烈しさで、友太とよしに声高く指図をしては、せかせかと息を切らした。