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Japanische Klassiker mit Furigana

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うたのたてやましんじゅういっきょく

唄立山心中一曲

泉 鏡花

Lesen Sie 唄立山心中一曲 (うたのたてやましんじゅういっきょく) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 30.835 Zeichen · 61 Bildschirme

Aozora Bunko

万一お生命を縮めるとなれば、私はその罪を負わねばならないのですから。それは勿論覚悟の前です……お察し下さい、これはほとんど私が生命を忘れ、世間を忘れ、甚しきは一人の親をも忘れるまで、寝食を廃しまして、熟慮反省を重ねた上の決意なのです。はじめは貴方が、当時汽車の窓から赤城山の絶頂に向って御投棄てになったという、革鞄の鍵を、何とぞして、拾い戻して、その鍵を持ちながらお目にかかって、貴下の手から錠を解いて、縫のその袖を返して頂きたいと存じ、およそ半年、百日に亙りまして、狂と言われ、痴と言われ、愚と言われ、嫉妬と言われ、じんすけと嘲けられつつも、多勢の人数を狩集めて、あの辺の汽車の沿道一帯を、粟、蕎麦、稲を買求めて、草に刈り、芥にむしり、甚しきは古塚の横穴を発いてまで、捜させました。流星のごとく天際に消えたのでしょう、一点似た釘も見当りません。――唯今……要求しますのは、その後の決心である事を諒として下さいまし。縫もよくこの意を体して、三年の間、昼夜を分かず、的を射る修錬をいたしました。――最初、的をつくります時、縫がものさしを取って、革鞄の寸法を的に切りましたが、ここで実物を拝見しますと、その大さと言い、錠前のある位置と言い、ほとんど寸分の違いもありません。