Japanische Klassiker mit Furigana
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あづまばし
問はずがたり・吾妻橋 他十六篇
永井 荷風
Lesen Sie 問はずがたり・吾妻橋 他十六篇 (あづまばし) von 永井 荷風 (ながいかふう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 75.586 Zeichen · 159 Bildschirme
鈴代 どんな話。
福井 お前の病気のことだよ。まアおすわり。気にしちゃいけないよ。アノお医者様のはなしさ。お前の病気はこんな空気の悪い狭苦しいところに居ちゃアいけないそうだ。一ト月でも二タ月でも、暫くでいいから空気のいい静なところへ行っていろ。そうすると早く直るッて言うんだがね。
鈴代 (思入よろしく)ああそう。兄さん、わたしお医者様の言うこと、もう能くわかってるわ。このままこうしていると段々わるくなって、起きられないようになるといけないって言うんでしょう。わたし、みんなの迷惑になるといけないから。じゃ、田舎の家、木更津におばさんがいるから、そこへ行きます。(ト泣く。)
福井 鈴代。わるく思っちゃいけないよ。
鈴代 兄さん。わたしの事忘れないでね。
福井 何言うんだよ。これッきり別れると言うんじゃない。おれも一緒に行かれるようなら、一緒に行きたいんだが……。
鈴代 兄さん。わたし自分の身体のことはお医者様に言われないでも能く知ってるのよ。ねえ、兄さん。だから、今夜だけ思切り一緒に夜通し唄って歩かしてよ。
福井 いいとも。今夜はお前の気のすむように流して歩こう。