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Japanische Klassiker mit Furigana

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あづまばし

問はずがたり・吾妻橋 他十六篇

永井 荷風

Lesen Sie 問はずがたり・吾妻橋 他十六篇 (あづまばし) von 永井 荷風 (ながいかふう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 75.586 Zeichen · 159 Bildschirme

Aozora Bunko

わたしも女房と赤ン坊がどうしたろうと困っているんですよ。」

「まア、あなたも。わたしどうしたらいいでしょう。」とおかみさんはとうとう声高く涙を啜り上げた。

「仕様がないから、焼跡に町会が出来たかどうだか見てくるんですね。それよりか、おかみさん。どこか行先の目当があるんですか。」

「家は遠いんです。成田です。」

「成田ですか。それじゃ、どの道一度町会へ行って証明書を貰って来た方がいいでしょう。一休みしてわたしも行って見ようと思っているんですよ。わたしは古石場にいました。」

「あの、もう一軒、行徳に心安いとこがあるんです。そこへ行って見ようかと思っています。」

「行徳なら歩いて行けますよ。この近辺の避難所なんかへ行くよりか、そうした方がよかァありませんか。わたしも市川に知った家がありますからね。あの辺はどんな様子か、行って見た上で、考えようと思ってるんです。もうこうなったら、乞食同様でさ。仕様がありませんよ。」

佐藤も途法に暮れた目指を風の鳴りひびく空の方へ向けた時、堤防の上から、

「炊出しがありますから町会まで取りに来て下さアい。」と呼び歩く声がきこえた。

佐藤は市川で笊や籠をつくって卸売をしている家の主人とは商売柄心やすくしていたので、頼み込んでその家の一間を貸してもらった。