Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜんこんどんこん
善根鈍根
佐々木 邦
Lesen Sie 善根鈍根 (ぜんこんどんこん) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.638 Zeichen · 28 Bildschirme
社で一番の喫煙家は主筆だろうと決定したところへ、主筆が葉巻をくわえて入って来たものだから、大笑いになった。
「何を笑っているんだ」
「噂をすれば影です。唯今主筆が話題に上っていました」
「悪口かい?」
「いや、主筆の葉巻は鼻と同じように顔の造作の一部分じゃなかろうかという疑問が起ったんです」
「これか? ハッハヽヽ」
「随分おやりのようですな」
「今更持て余している」
と主筆は歎息したが、間もなく、
「しかし人間、煙草を吸わないようなのは積極的の企業心に乏しい。考えて見給え。鼻から、いや、口から火を吸って鼻から煙を吐く。子供の時、これを見て珍らしいと思わないようなのは元来好奇心がないんだ。大抵のものなら、よし、大人になったら一つやって見ようって気になる。僕は気をつけて見ているが煙草を吸わない人間には温厚篤実の君子が多い。君子、勿論結構だ。沈香も焚かず、何とやら。間違がなくて宜い。しかし吸う方には君達のような役に立たずもいるけれど、数が多い所為か、いざという場合に使える人間が多い。何しろ子供の時から将来火を吸って煙を吐いてやろうという料簡があったんだから、性格が積極的だ」