Japanische Klassiker mit Furigana
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うそアつかねえ
嘘アつかねえ
山本 周五郎
Lesen Sie 嘘アつかねえ (うそアつかねえ) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.523 Zeichen · 24 Bildschirme
、いいからもっとぎゅうぎゅう擦ってよ、痛くなんかありゃしないんだから、力いっぱい擦って、畜生、これから毎晩あの女と張合ってやる、あの女からあの男をふんだくってやるんだ、あんな女にゃ勿体ないよあの人」
まだ子供のようだが、云うことだけ聞いているとあばずれた年増女としか思えなかった。そしてそのように饒舌りながら、ときどき信吉のほうへながし眼を向け、捲っている裾をもっと上へあげたり、細い腰を露骨に揺ってみせたりした。……当時も私娼街は指定地区に限られていたし、夜鷹とかけころなどの名で呼ばれる街娼も、黙認ではあるが出る場所が定っていて、その他の地域では捉まると罪が重かった。特に新吉原の付近などは、――廓からの要請で、――厳しく禁じられていたのである。
「こんな処へあんなのが出てやかましくはないのかい」
二人が去ってから信吉がそうきいた。爺さんは鍋の下を煽ぎながら、食うためには危ない橋も渡るわけだろう、というようなことを、口の中で不明瞭に呟いた。
それから彼女たちはしばしば「やなぎ屋」へあらわれるようになったのだが、寒さと空腹凌ぎに寄るらしい、お吉は酒を熱くして一杯、お琴は煮込を喰べた。