Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

うそアつかねえ

嘘アつかねえ

山本 周五郎

Lesen Sie 嘘アつかねえ (うそアつかねえ) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.523 Zeichen · 24 Bildschirme

Aozora Bunko

でそいつをよく見たんだ、おれのこの眼でよ、旦那、おらあこれだけは旦那に云わずにゃアいられねえ」

「おれの父は温和しい人間だった」松は舌ったるく話しだした、「――酒も煙草もろくろく口にしねえ、桶屋だったが、腕はよかった、仲間の職人からそねまれるくれえの仕事をした、浅草橋からこっちの番手桶は父でなくッちゃあならねえ、と云われたくれえなんだが、仏性で、……そこは自分でもじれったかッたらしい、頭がこすくまわらねえ、仕事にはばかな念をいれるが、どうしてもあこぎな銭が取れねえ、おまけに人を騙すより騙されるッてえ、くちだった。……いくら腕がよくッたって、それじゃア蔵の立つ道理はねえ、蔵どころか、正直のところ女房子に満足な着物も着せられなかった」

松の話はたどたどしく、前後したり、つじつまの合わないことがとびだしたり、同じことを繰り返したりした。だがそのために却って誇張のない実感が感じられた。……信吉には一人の愚直な職人の姿がみえるようであった。そこにいる松のような、肉の緊らない躯つきで、眼尻の下ったまるっこい顔で、いつも諦めたような卑屈な笑いをうかべている。仕事の腕はあるが、頭が悪いので人に利用され、ばかにされるだけである。