Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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はなしかのきもの

噺家の着物

三遊亭 金馬

Lesen Sie 噺家の着物 (はなしかのきもの) von 三遊亭 金馬 (さんゆうていきんば) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.355 Zeichen · 13 Bildschirme

Aozora Bunko

もっとも、あの人は博奕を盛んにやっていたので、脱ぎ打ち(お金がないとき着物で勝負すること)をした帰りだったのかも知れないが、この人写真嫌いで、このなりでよければ撮ってくれといったという。それで褞袍に鉢巻で撮った写真より残っていない。普通、咄家が写真を撮られるときは、「ちょっと待ってくれ」と着物を着替えるものだ。気違いと名人は紙一重の違いだというが、その時分から少し変だなとは思っていた。もっとも、昔の咄家・講釈師は褞袍を着ていても、御大名の咄ができなくてはいけないといっていた。

「咄家は着物を見せるんじゃねえ。芸を客に聞かせるんだ。着物見せるなら柳原へ行けばよい」

昔の柳原というところは、古着屋が軒並み並んでいた。

私なぞの、生意気盛りの頃、当時の研究会のお仕着せは、桃色の紋のついたキャラコの黒の紋付であったが、この一重の着物一枚という服装で寒いときは下へ何か着て、始めて大阪へ行った。上方の芸人は服装道楽の者が多いので、私の服装を見てみんな驚ろいた。平常着にも高座着にもこれ一枚で、見かねたのか、大阪日本橋の傘屋のお母さんが私に注意してくれた。

「何んでもいいから羽織を着て、高座へあがらないと、御客に馬鹿にされまっせ」