Japanische Klassiker mit Furigana
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よんじゅうはちにんめ
四十八人目
森田 草平
Lesen Sie 四十八人目 (よんじゅうはちにんめ) von 森田 草平 (もりたそうへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 56.183 Zeichen · 112 Bildschirme
当時年は瀬左衛門より一つ上の二十六歳であった。その後赤穂城中における評議が籠城、殉死から一転して、異議なく開城、そのじつ仇討ときまった際は、彼はまだ江戸に居残っていたので、最初の連判状には名を列しなかった。が、その年の暮に大石内蔵助が、かねて城明渡しの際恩顧を蒙った幕府の目附方へ御礼かたがた、お家の再興を嘆願するために、番頭奥野将監と手を携えて出府した際、小平太は何物かに後から押されるような気がして、内蔵助の旅館を訪ね、誓書を入れて義徒の連盟に加わった。何物かとはいわゆる時代の精神である。当時の侍は、君父の仇をそのままに差措いては、生きて人交りができなかった。彼もその精神に押しだされたのである。そして、内蔵助の帰洛に随行して、上方へ上って、しばらく京阪の間に足をとどめていた。
時代の精神と、もう一つは、世が太平になったために、ひとたび主に放れた浪人は喰うことができない、何人も抱え手がないという事実に圧迫されて、小平太のほかにも、誓書を頭領にいたして、新に義盟につくもの前後踵を接した。いかに喰えない浪人生活よりも、時代の精神に追われて死につく方が、彼らにとって快く思われたかは、主家の兇変の前に、すでに浪人していた不破数右衛門、千葉三郎兵衛、間新六の徒が、同じように連盟に加わってきたのでも分る。