Japanische Klassiker mit Furigana
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よんじゅうはちにんめ
四十八人目
森田 草平
Lesen Sie 四十八人目 (よんじゅうはちにんめ) von 森田 草平 (もりたそうへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 56.183 Zeichen · 112 Bildschirme
それに、相手は女のこと、どんなことから事の破れになろうもしれない。まあまあと思い返して、「そうか、主家を滅ぼした敵の片割れに縁のある家の仕事をして、身過ぎをするのも時代時節、まあ何事も辛抱だね」と言っておいた。
その日宿へ帰った時、小平太は勘平に向って、今日中島伊勢の宅へ出入りをするお物師とちょっと知合になったがと漏らしてみた。すると、相手は無性に喜んで、
「そいつはうまいことをした。中島伊勢に娘をくれた家老といえば、やっぱり小林平八郎のことに相違ない。ちょっとそんな話を耳に挾んだこともある。ぜひそいつはもっと立ち入って探索しろ」とすすめてくれた。
で、その明くる日からは、小平太も大びらで宿を出て、おしおを訪ねることができた。が、女の顔を見ると、別にそんなことも言いださなければ、女の方でも、その後中島伊勢のことはふっつり口にしなくなった。ただ小平太はこうして毎日女の顔を見に行った。
が、一方では、兄新左衛門のことも気にかかっていた。ああして一時をごまかしてきたもの、あれから一度も姿を見せないから、今ごろどんなに不安に思っているかしれない。もっとも、兄の気性としては、あれだけ言っておいたものを、自分に無断で、はやまって一党に迷惑を懸けるようなことはすまい。