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Japanische Klassiker mit Furigana

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よんじゅうはちにんめ

四十八人目

森田 草平

Lesen Sie 四十八人目 (よんじゅうはちにんめ) von 森田 草平 (もりたそうへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 56.183 Zeichen · 112 Bildschirme

Aozora Bunko

「まあ、そんなに召しあがってようござりますか」と、おしおは注ぎかけた銚子を控えて、思わず窘めるように言った。

「なに、かまわぬ、注いでくれ」と、小平太は持った盃を突きつけるようにした。

「まあ、泊って行ってもよいとおっしゃるなら、少しはお酔いになってもよかろ」と、おしおは思いなおしたように、またなみなみと注いだ。

小平太はその盃にちょっと唇をつけたまま、下に置いて、

「さっき言った、わしに話したいというのは、そりゃ何だ?」と、不意に言いだした。

「ええ」と、おしおはみるみる顔を赧らめながら、「そりゃまあ後でもいいことじゃわいな」と、その場をまぎらそうとした。

「そうか」と、小平太はまた盃を口へ持って行った。「言いたくなければ聞かんでもいい」

男の顔は蒼味を帯びて、調子は妙に縺れかかっていた。

「いいえ、言いたくないことはない。どうしても聞いてもらわにゃならぬことだけれど……」

「じゃ、言ったらどうだ?」

「ええ、あのそれは」と、おしおは口籠りながらつづけた。「いつぞやから、今度逢ったら言おう言おうと思っていましたが、何だかまたよけいな御心配をかけるような気もして……じつは前の月からわたし見るものを見ませんの」