Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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よんじゅうはちにんめ

四十八人目

森田 草平

Lesen Sie 四十八人目 (よんじゅうはちにんめ) von 森田 草平 (もりたそうへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 56.183 Zeichen · 112 Bildschirme

Aozora Bunko

そのはずみに、手に持った白刃がぎらりと闇に光った。それが眼に入ったのか、

「まあ、あなた!」と言ったまま、おしおはいきなり飛び起きてしまった。そして、

「あなた、どうなされました? 気でも狂ったのか、そんなものを手に持って!」と、やにわに男の腕に縋りついた。

「うむ、待て、危殆い! 待てと言ったら待て!」と、小平太は狼狽えながら、その手を振り放そうとした。

「いえいえ放しませぬ、訳を話してくださらぬうちは、けっしてこの手を放すことではござりませぬ」と、女はいよいよ力を籠めて、一心に武者振りついた。

「話す話す、訳を言うからその手を放してくれ」と、小平太はようよう女の手をほどいて、刀を鞘に納めた。

「さ、早う言ってくださいませ」と、女はその刀を取って自分の背後へ片づけてから、男の前に膝をすすめた。「わたしというものもある身で、短気な心を出さんしたその訳を、有様に言って聞かせてくださいませ」

「話すと言った上は、そう言わんでも、きっと話して聞かせる」と、小平太も蒲団の上に坐りなおした。「だが、どんなことを聞こうとも、かならず吃驚して騒ぐまいぞ」

おしおは黙ってうなずいてみせた。