Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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よんじゅうはちにんめ

四十八人目

森田 草平

Lesen Sie 四十八人目 (よんじゅうはちにんめ) von 森田 草平 (もりたそうへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 56.183 Zeichen · 112 Bildschirme

Aozora Bunko

子どものことを言われて、おしおは思わず帯のところへ手を遣って、じっと頸垂れたまま考えこんでしまった。

「それにわしの死んだ後で、たとい忠義の士よ、お主のために命を捨てた侍よと、世に持囃される身になっても、わしの身寄りの者が誰一人それを聞いていてくれるものがないかと思えば、何となくうら淋しい気もする。なに、わしの兄はあっても、あれはもうわしの身寄りではない。身寄りといっては、お前一人だ。そのお前が後に残って、忠義の侍よ、あれを見よと、わしが世間から囃されるのを聞いていてくれたら、同じ死ぬにも張合があるというもの。わしは思いなおした。どうかわしの言うことを聞いて、後に生き残ってくれ!」

おしおはやっぱり俯向いたまま、何とも言わなかった。小平太は気を揉んで、

「な、わしの言うことは分ったろうな? 分ったら、どうか得心して、わしの言うことを諾いてくれ、な、な!」と、女の背に手を懸けながら繰返した。

「そうあなたのお覚悟がつけば」と、おしおはようよう顔を上げた。「なるほど、わたしは後に残って、あなたの武名が上るのを蔭ながら見させていただきましょう。まだ海のものとも山のものとも分りませぬが、もしお肚の嬰児が無事に生れましたら、立派にあなたの跡目を立たせます。