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Japanische Klassiker mit Furigana

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よんじゅうはちにんめ

四十八人目

森田 草平

Lesen Sie 四十八人目 (よんじゅうはちにんめ) von 森田 草平 (もりたそうへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 56.183 Zeichen · 112 Bildschirme

Aozora Bunko

彼はよろよろと橋の欄干に凭れかかって、両手に頭髪の毛を引掴んだまま、「そうだ、俺は時刻に後れると知りながら、わざと後れるようにしかけたのだ、わざとこんな所へ来てしまったのだ。何という俺は卑怯者だ、臆病者だ! 生れついての臆病が最後にとうとう俺に打克ったのだ!」と呟いた。そして、そう呟きながら、だんだん雪の中に顔を埋めてしまった。

が、しばらくして、彼はまたむっくり顔を上げた。月は依然として照っていた。が、その月も彼の眼には入らなかった。

「だが、俺はそんなに臆病者かしら?」と、彼はぼんやりあたりを見廻しながら呟いた。「俺はとにかく万死を冒して吉良邸へ入りこんだこともある。そして、当夜の一番槍にも優る功名ぞと、仲間の者から称美されるほどの手柄も立てた。しいて言えば、今夜の討入も俺の探索のおかげで極ったとも言われないことはない。それほどの手柄を立てた俺が、こんなことになってしまった。一生世間へ顔出しもできない卑怯者になってしまった。なぜだ? なぜだか俺にも分らない!

「いや、分らないことはない」と、彼は自分で自分に反抗するようにつづけた。「俺にはちゃんと分っている。