Japanische Klassiker mit Furigana
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よつやかいだん
四谷怪談
田中 貢太郎
Lesen Sie 四谷怪談 (よつやかいだん) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.260 Zeichen · 15 Bildschirme
伊右衛門は又市の詞によってお岩は不容貌な女であるとは思っていたが、それでもどんな女だろうと思って怖いような気もちで覗いてみた。それは妖怪のような二た目と見られない醜い顔の女であった。伊右衛門ははっと驚いたが、厭と云えば折角の幸運をとり逃がすことになるので、能いことに二つは無いと諦めてそのまま式をすましてしまった。
いよいよお岩の婿養子になった伊右衛門は、男は好いし器用で万事に気の注く質であったから、母親の喜ぶのは元よりのこと、別けてお岩は伊右衛門を大事にした。しかし、伊右衛門は悪女からこうして愛せられることは苦しかった。苦しいと云うよりは寧ろあさましかった。それもその当座は三十俵二人扶持に有りついたと云う満足のためにそれ程にも思わなかったが、一年あまりでお岩の母親が歿くなって他に頭を押える者がなくなって来ると、悪女を嫌う嫌厭の情が燃えあがった。
その時御先手組の与力に伊藤喜兵衛と云う者があった。悪竦な男で仲間をおとしいれたり賄賂を執ったりするので酷く皆から嫌われていたが、腕があるのでだれもこれをどうすることもできなかった。その喜兵衛は本妻を娶らずに二人の壮い妾を置いていたが、その妾の一人のお花と云うのが妊娠した。