Japanische Klassiker mit Furigana
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そうせきしとわたし
回想 子規・漱石
高浜 虚子
Lesen Sie 回想 子規・漱石 (そうせきしとわたし) von 高浜 虚子 (たかはまきょし) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 115.187 Zeichen · 231 Bildschirme
その後しばしば余を訪問して遂に余の下宿に同宿した。その部屋には殆ど何の什器もなくって、机の上に原稿紙があるのと火鉢の傍に煙管が転がっているばかりであった。障子を開けるといつも濛々たる煙の中に坐っていた。着替はもとより寝巻もなく本当の着のみ着のままというのはあの男の事であった。『国民の友』に「人寄席の話」を投書したのが縁となって遂に民友社に入社し下層の事情に通ずるので重宝がられていたがその後行方不明になって今に誰の処にも音信がない。大方死んだのであろうという左衛門君などの鑑定である。
二、三日前の『国民新聞』の「忙閑競べ」の中に寄席の下足の話があったが、すべてああいう話が其村君の得意なところで、下足の誇りはそれを投げ出すと同時にチャンと下駄の並んでいるところに在るというようなことをあたかも自分の誇のようにしてドモリながら話していた。また余を縄暖簾に伴れて行って初めて醤油樽に腰を掛けさせたのも其村君であった。其村君はいつでも袂の底に銅銭や銀貨を少しばかり――ただし自分の所有全部――入れていたが、それをつかみ出してその時の支払をもしたことを覚えて居る。