Japanische Klassiker mit Furigana
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そうせきしとわたし
回想 子規・漱石
高浜 虚子
Lesen Sie 回想 子規・漱石 (そうせきしとわたし) von 高浜 虚子 (たかはまきょし) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 115.187 Zeichen · 231 Bildschirme
何はともあれ、居士はかくの如く何事にも研究的で、病を忘れ死を忘れ一日生きていれば一日研究するという態度ですべての事に向ったのであった。居士の病苦の慰藉は一に此の研究そのものに在った。
その上居士はその研究の結果や自分の意見やを黙って仕舞い込んでおくことの出来ない人であった。まずこれを友人や門下生に話し、それに対する他人の意見を聴くことを楽みにしていた。殊に歿前一、二年は日課として短文を『日本新聞』に出し毎朝その自分の文章を見ることを唯一の楽しみにしていた。新聞社の都合でその文章が一日でも登載されぬことがあると居士の癇癪はたちまち破裂して早速新聞社に抗議を申込むのが常であった。ある時は、そんなに紙面の都合で載せられぬなら広告料を支払うから広告面に出してくれなどと言って遣ったことがあるように記憶する。そういう事をして居士は自ら生きる方法を講じていたのである。居士の体は殆ど死んでいたのを常に精神的に自ら生きる工夫を凝らしていたのであった。
臨終前には大分足に水を持っていた。そこで少しでも足を動かすとたちまち全体に大震動を与えるような痛みを感じたのでその叫喚は烈しいものであった。