Japanische Klassiker mit Furigana
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そうせきしとわたし
回想 子規・漱石
高浜 虚子
Lesen Sie 回想 子規・漱石 (そうせきしとわたし) von 高浜 虚子 (たかはまきょし) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 115.187 Zeichen · 231 Bildschirme
何にせよ天明を待たねばならなかった。
羯南先生を中心にして一同で暁を待った心持はしめやかであった。
医師が来てから間もなく夜が開けた。羯南先生の宅を本陣にして葬儀その他についての評議が開かれてからは落着いた心持はなかった。
その夜の通夜は「談笑平日の如くなるべきこと。」という予ねての居士の意見に従って自然に任せておいた。余は前夜の睡眠不足のために堪え難くて一枚の布団を餅にして少し眠った。
一人の俳人のそれを低声に誹謗しつつあるのを聞きながら余はうつらうつらと夢に入った。
居士逝去後俄にまめまめしげに居士の弟子となった人も沢山あった。その人らは好んで余らの不謹慎を責めた。
居士逝去後居士に対して悪声を放つ人はあまりなかった。ただ一人あった。
余と碧梧桐君とは居士の意を酌んで、「死後」と題する文章に在るような質素を極めた葬儀にせようと思ったがそれは空想であった。
けれどもその葬儀はやはり質素な葬儀であった。
私はこれで一先居士追懐談の筆を止めようと思う。私は今でもなお、居士の新らしい骸の前で母堂の言われた言葉を思い出す度に、深い考に沈むのである。余の生涯は要するに居士の好意に辜負した生涯であったのであろう。