Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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こっかいとしょかんのまどから

国会図書館の窓から

中井 正一

Lesen Sie 国会図書館の窓から (こっかいとしょかんのまどから) von 中井 正一 (なかいまさかず) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 1.977 Zeichen · 4 Bildschirme

Aozora Bunko

貴重な書籍は、このマイクロフィルムに取って、拡大器で見るようにして、米国製の撮影機でその活動に入ってきているのである。

こんなに書いていってみると、もはや本を読むということは、浄机明窓で静寂境の楽しみどころではなくして、私にとっては一つの大工場である。その工場の一技師長にしかすぎないのである。物ごとが巨大になりすぎている。しかも、その一つ一つが避けるべからざる必然性をもって、私をその部署に縛りつけ、それに対して、油の少なく引かれた機械の正確性をもって順応せざるをえないのである。この世界での寂けさは、精密機械の工場のもつ静謐である。

しかし、私はようやく、この静寂が、決して、単に不快なものではないことを、みずから確かめつつある。個性の危機を乗り越えて、集団の部署の一員として、みずからの全性格をその中に投じ去ることのもつ命の味は、また世代の一つの戦慄である。

自我を没し去って、全機露呈するときに横溢する働きの中の静寂は、ある意味において快いものがある。もちろん、敵もあれば、心肝も摧く、謀略にも遇う。しかし、そこにこそ湧く爽爽しい緊張もまた捨てがたき命の味もあるというべきであろう。