Japanische Klassiker mit Furigana
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とち
土地
豊島 与志雄
Lesen Sie 土地 (とち) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.719 Zeichen · 22 Bildschirme
お前、一体町せえ行って何するつもりだ。」
「製糸工場で人を傭うだとよ。おら其処で暫く稼えで、金がたまったらじき戻って来るだ。」
平助は彼を上からじっと見下した。
「おたかがそんなことお前に云って寄来しただろう。」
音吉は顔を挙げたが、すぐに眼を外らして、遠い山の方を見やった。
「おたかじゃねえよ。」
「嘘云うねえ。おらにはちゃっと分ってるだ。おたかが工場に行く時から、お前は約束しただろう。……あいつ、まだお前を引張ろうというんだな。太え女っちょだ。あんな者にかかり合っちゃあ、お前のためになんねえぞ。」
「おら何もおたかをどうってんじゃねえが……。」
「馬鹿云うねえ。もう村の者あみんな知ってるだぞ。おら一人知らねえとでも思ってるんか。……なあお前、出来たこたあ仕方がねえが、町せえ行ったなあ仕合せだ、あんな図々しい女っちょなんざあ、これきりふっつり思い切ってしまうがええだ。他に立派な娘っ子が、村にいくらもいるだ。」
「おらおたかのことどうこうって云うんじゃねえよ。町せえ行って少し儲けて来てえばかりだ。」
「だがの、お前が行っちまったら、後はどうなるだ。男手はおら一人きりじゃねえか。