Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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トソンラン

土城廊

金 史良

Lesen Sie 土城廊 (トソンラン) von 金 史良 (きむさりゃん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 25.752 Zeichen · 52 Bildschirme

Aozora Bunko

「何人連れかな」と質ねたものである。

「う」と爺は口に泡を含んですっかり悦び、「餓鬼まで四人家族であす、う、大水で家を流したでごぜえます」

うっかり四人家族と口走った。爺はにべもなく断られたが、どうして嬶と二人きりだと云わなかったのだろうと思えば忌々しくてならなかった。

「大変じゃ」と老婆はぶつぶつ云って尻を振りつつはいって行ったのである。

爺は再び他の家の大門をくぐった。今度こそ二人きりと云ってやろうと自分に云い聞かせるが、その後は誰も相手にしてはくれないで追い出した。爺は仕方なしに又のそのそと街を歩いた。役所の傍や銀行の脇や楼閣等にはどこにもここにも、田舎で洪水のために家や作物を流した人々が芋づるのように跼っていた。爺にはそれがひとのことのようには思われない。それで最後の一塊の土に噛り附いても、土城廊を離れてはならないとますます頑なになる彼だった。もともと土城は一年に一度は定まって大洪水に襲われる。その度に土幕民はちりぢりに城内へ流離し全くの宿なしになるのだ。そして洪水が退けると、今度は又新しく追われた人々がこの土城廊へぞろぞろやって来る。こうして再び新しい営みが始まる。